20-MAR-1991

蕎麦屋のカレー。 これはあなどれない。

なにも蕎麦屋でカレーを喰わなくてもいいだろう。 蕎麦屋に入ったら蕎麦を喰べたらよかろう。と人は言うかもしれない。 なにもそこまでしなくても。という忠告を与えたくなる気持ちもわかる。

しかし、町の蕎麦屋には蕎麦以外のすぐれた料理があるのはご存知の通りである。 カツ丼しかり、天丼しかり、さらに私がここで紹介しようとする寿徳庵[1]には カツ鍋定食という画期的なメニューまであるのである。

[1]:場所は横浜市保土ヶ谷区の相鉄線天王町駅前。

カツ鍋定食まで飛躍せずとも、一般の蕎麦屋にはカレー南蛮という カレーを使った定番料理がある。それを丼物のために用意してある御飯にかけて 食べたところでなんの無理も飛躍もない。

さて寿徳庵のカレーであるが、これは旨い。 日本のカレーとしては出色のできではないかと思う。 しかし、寿徳庵のカレーも蕎麦屋のカレーの例に漏れず 難点は、味があまり一定していないことである。

寿徳庵のカレーはカレーうどんに使われているような、 とろみのあるカレーではなく、サラサラしたカレーである。 とろみのあるカレーは猫舌の私にとって恐ろしいものがあるのだがそれはさておく。

なぜ、私が蕎麦屋のカレーに走ったかというと、渋谷のカレー屋サムラートで 喰ったカレーが、二度とこの店に来るまい、と誓わせるに充分なだけまずかった。 この話は別トピックで続けたい。


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