17-FEB-1994
「ゆんぼくん」第3巻 西原理恵子 竹書房を昨夜読みおえた。 「まあじゃんほうろうき」と「パチンコにはちょっとひとこといわせてもらいたい」を繰り返し読んでいたので「ゆんぼくん」がなかなか読み進まなかった。 すごいぞ西原理恵子。彼女はすぐにでも童話作家になれるという評が どっかに載っていたが、「ゆんぼくん」の後半を読んで納得した。 あんまり感動したので夜中にかなぶに電話した。 電話したけどまだ収まらないので姉にも電話した。電話して「ゆんぼくん」を 買うように強く勧めた。タイトルと作者と出版社をメモっていたようなので たぶん買うだろう。それとも誰かを騙して買わせるのかもしれない。 最後に赤いボルボのステーションワゴン(姉はライトバンと表現していた)を 買ったんだ、と自慢された。 人に本を勧める人は精神的にキているか参っている、という話をどっかで読んだ ことがある。俺はすこし参っているのかもしれない。 「ゆんぼくん」3巻の後半で山奥のオンボロの家に住み着いた女の子の一家の話は 面白い。女の子(かおりという名前)がゆんぼの家をおとづれるときの ゆんぼの心の動きがうまいと思う。 それから魚釣りに行って、ヤナを仕掛けるときに川の中でゆんぼがころぶ。その次の「2度目はわざところんだ」という一コマがすごい。これが才能だと思う。このコマを書けるセンスが彼女を一流たらしめているんだと思う。このコマがなければ次のちょっとクサいコマが生きてこない。 最後に、彼女がいなくなったボロ小屋をゆんぼが訪れる。 小屋はゆんぼの背丈を追い越した夏草におおわれている。 その夏草の中でゆんぼがもがく。そして言う「ぼくは子供だ」「どうしようもなく子供だ」と。そしてこの女の子とのストーリーは終わる。 そういうシーンの中で「どうしようもなく」という言葉がとっても新鮮だ。 |