910725

土曜日は例の紀子さんと練習の予定だったが、彼女は会社の引っ越しで
休日出勤になってしまった。
しかたがないので、土曜日はゆっくり朝寝をして
家事とFF4をしながら夕方まで過した。

17:00ころテントとセーリンググッズ一式を車に積み込んでクラブへと向かった。

横横道路[1]の上りは衣笠と横須賀の間のパーキングエリアから別所まで
渋滞していた。ほぼ全線である。これではちっとも高速道路のありがたみがない。
だいたい20KMの渋滞である。

[1]横浜横須賀道路のインター:
	狩場六ツ川(料金所)別所日野港南台釜利谷(ジャンクション)朝比奈
	逗子横須賀衣笠佐原


一方、俺のほうは横横の下りなので渋滞は全然なしである。
こういう長い渋滞を横目で見ながら走ることの壮快感といったらない。
反対側の車線で並んでいる車が長ければ長いほどいい。
口もとが自然に綻んでくる。なんでかしらんが「ははは、ざまーみろ」である。

さてさて、壮快に車を飛ばしてクラブに着いた。
晩メシを食べてから、さあ今日はなにして遊ぼうか、という相談になった。

今夜のイベントは久里浜の港で蟹取りということに決定した。
俺は蟹取りなどしたことがない。が、蟹を喰うのは好きである。
俺にとって蟹は雲丹と並ぶほどの大好物なのだ。

寝苦しい夜には涼みがてら蟹取りをする元板前の山田さんが
連れて行ってくれることになった。

ここでは詳しく書かないが、おいおいこの人の話は出てくると思う。
なかなか楽しい人生を送ってきた人なのである。
現在は4LDKのマンションに一人暮らしをしている。ちょっとワケありの
おっさんである。

蟹取りの装備は懐中電燈とタモ網である。狙うのは今が旬のワタリ蟹である。

岸壁に着いたら、すでに蟹取り人が数名いた。

蟹は港の岸壁の水面下にいるのである。
蟹は水深の浅いところの岸壁にへばりついている。
蟹取りは水面を電気で照らして網を入れるという作業である。
失敗すると蟹が水面深くもぐってしまい取れなくなる。

蟹取り人が数名いるということは、その数名が蟹を取るか失敗するかしているので、
こっちに回ってくる蟹が少なくなるということにもなる。

あまり取れなかったが、山田さんが昨夜取った蟹があるというので、
山田さんのマンションに行ってご馳走になることにした。
バケツに1杯分くらいの蟹が茹でてあった。喰い方題という感じである。
喰った喰った。うまかった。旬のワタリ蟹である。まずかろうはずがない。
こんなことなら晩飯を抜いておくんだった。
晩飯にカレーを喰ったあとご丁寧にも素麺まで喰ったのだった。すくなくとも
カレーか素麺だけにしておけばよかった。ここでも悔恨と後悔の人生である。
なにも蟹喰って人生を振り返ることはない。

蟹を散々食べて、桃と葡萄も食べて、とにかく出されるものはみな喰った。

喰い終わってクラブに戻ったら、小沢さんのクルーザー仲間がきていた。
この人はまっとうなサラリーマンだったのだが、
ヨット好きで身を持ち崩して、今ではマリンショップの親父である。
そいういう過去を持ったマリンショップの親父を俺はもう一人知っている。

去年のニッポンカップのころ彼は失恋中だった。
大人も失恋するのである。
その話をニッポンカップのお手伝いの帰り道、葉山の蕎麦屋で聞いたのだった。

先週は鳥羽パールレースのために小沢さんと三浦から鳥羽まで
回航してきたそうである。

「そういうときはいつでも呼んで下さい。俺いつでも会社休めますから」
とアピールしたら、年末年始にかけて行なわれるグアムレースの
回航に混ぜてくれる話になった。
グアムレースの回航は1度ポシャっているので期待しないでおこう。

なんだかんだと回航ネタを聞きながら盛り上がっていた。

【目次】