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日付 1998年08月08日(土)

天気 曇り一時晴れ 風向 風力 1〜3 波高 0.5〜1.0
行き先 妻良港 出港時刻 0940 帰港時刻 1540
乗員 2名


朝5時半に駐車場から車をスタートさせた。夏休み中だからちょっとは混むかもしれないな、と思っていたが、真鶴道路から混んでいた。真鶴道路から湯河原、熱海。熱海の先の下多賀まで渋滞していた。この時間にこの渋滞とは。他県ナンバーの方々は何時に家を出てきたんだろう。

国道135号から県道80号に入るとさすがに空いているが、それでもいつもより対向車は多い。山伏峠までで10台くらいとすれ違っただろうか。

県道80号熱海大仁線は、山伏峠を越えて大仁に入ってから道が良くなる。地形のせいもあって、熱海側の道は細くて曲がりくねっている。熱海側は現在大規模工事中である。全線2車線になるのはいつだろう。

天気予報では今日は晴れると言っていた。天気図を見てもそんな感じだ。雨が降ったとしても続かないだろう。

とはいえ、一向に晴れる気配はない。安良里の手前で雨がちらついてきた。

8:10頃安良里着。雨が強くなった。車から出られない。しばし車中で雨が過ぎるのを待つ。

8:30頃雨が上がったので、車から降り、荷物をテンダーへ。

テンダーに乗り込んだら雨がまた降ってきた。車に戻らずにそのまま唐草に行く。気温が高いせいか、雨粒があたってもすぐ蒸発しているみたいだ。Tシャツも湿っぽくならない。風はない。

このあと雨はないと信じて、唐草艤装。

テンダーを曳航して、岸壁へ。テンダーをテンダー溜まりに戻す。

テンダーを係留してもどってきたら、唐草の係留を手伝ってくれている人がいた。港の奥に泊めてあるウッドのヨットのオーナーで、ヨットの係留担当の理事だそうだ。名前を聞きわすれてしまった。今度会ったら忘れないで聞かなくちゃ。

その方がおっしゃることには、将来はヨット/ボートのクラブハウスを建てて、テンダーの数も増やしたいんだそうだ。なるほど。素晴らしい。早く実現しないかなと思う。

係留担当の理事にフネを押してもらって出港。

人が見てると思って緊張してたら、港内でアクセルあけすぎ。

港の中ほどでアクセルを戻す。なんてこったい。恥ずかしい。

女房がフェンダーを上げ、係留ロープを片づける。と、ボートフックがスタンションにひっかかっていた。落ちそうだ。急いでつかむ。そのとき左手人指し指をコクピットの壁にぶつけて突き指してしまった。

港を出て時計を見ると9:40。沖に出てめぐみと舵を替わりGPSをセット。安良里沖、沖の島沖、波勝崎沖、妻良沖というポイントを通って妻良港に入港の予定だ。

風はあいかわらずない。弱くだが、霧もかかっている。

沖の島沖のポイントを通過し、GPSは次の波勝崎沖の方位を示している。ベアリング185度だ。ヘディングを185度に合わせると210度くらいを向いている感じがする。雲見崎が160度くらいに見える。おかしい。チャートでは185度に雲見崎が見えるはずだ。コンパスでヘディングを185度に合わせる。やはり210度くらいを向いているような気がする。ふーむ。GPSの表示するヘディングもコンパスも同じ値を示している。多数決だ。2対1で俺の負けだ。計器に従うことにする。

しばらく走ると、霧が薄くなってきた。針路方向に岬が見えてきた。あの特徴ある形こそ雲見崎だ。俺が見誤っていたのは萩谷崎だった。考えてみれば、あんなに形の違うものをどうして見誤ったんだろう。

昔、ディンギーのレースでもコンパスを信じて成功したことがあった。3位くらいで一回目の上マークを回った。上位2艇は上らせたコースでサイドマークに向かっていた。コース変更の旗は上がっていない。私はサイドマークが見えていなかったが、コンパスを信じてサイドマークがあるはずの方向にヘディングを向けることにした。上位2艇と我々では10度くらい違ったコースを引くことになった。後続艇はトップ艇についていく艇のほうが多かった。彼らにもコンパスがついているんだろうけど、トップ艇のコースのほうを信じたようだ。我々の艇は私のナビゲーションを信じた。

サイドマークは我々のコースの先にあった。

そのレースは、ダントツ1位でフィニッシュした。

閑話休題

波勝崎に向けて、オンコースで走る。GPSによれば、対地速度は6.nノットくらい。時々7ノットオーバー。潮が押している。

松崎沖を通り、雲見崎に近づいた。岬の突端にかなり近づいている。こんなに近くを走ったのは初めてだ。チャートで水深や暗岩を確認しているし、さらにGPSの誤差分以上余裕を持たせてコースを引いているので、オンコースにいるかぎり安全だ。GPSはありがたい。

雲見崎から波勝崎までの景観は西伊豆随一ではないかと思う。見上げるほどの200メートルくらいの崖がそのまま海面からそそり立っているのだ。崖を這う植物。春先に見たときは弱々しく、若々しく岩肌にとりついていたが、真夏の今は岩肌から濃い緑がもっこり盛り上がっている。猛々しい(たけだけしい)緑、という感じだ。

このあたりは観光船が、観光客に景色を見せるために走っているくらいのいい景色なのだ。地形のせいで、海岸沿いには道がない。海からしか見れない景色なのだ。

波勝崎沖通過。

GPSのルート航法なので、ウェイポイントをに到着すると自動的に次のウェイポイントへのレグを表示してくれる。便利なものだ。

風が上がってきた。南の風、風力3といったところか。

帆走したい。いい風だ。でも、突き指しているし、バッテリーを充分充電したいので機走でがまんする。もうすぐ妻良港だし。

波勝崎灯台を90度に見て変針するようにコースを引いていた。これだと弁慶岩がじゃまで、次のレグが妻良港の入口から遠いところを指してしまう。灯台を過ぎて弁慶岩のあたりで変針したほうが効率的なコースがひけそうだ。次はそうしようと思う。

妻良の湾内に入っても、風で波がたっている。去年の11月に、唐草をベイサイドマリーナから安良里まで回航する途中に、この港に寄って1泊した。そのときは、風がなくて舗装道路を走る車のようにスムーズに走った。夕日に追いかけられながら入った。

湾内に入り、子浦に入るか妻良に入るか迷う。

回航のとき子浦に入ったし、舵誌のバックナンバーで妻良の係留場所を学習してあるので、妻良に入ってみることにする。

時刻は12:00ちょっと前。安良里、妻良間は2時間半の航程だった。

潮が引いているので、岸壁が高い。風もある。

女房と係留手順を確認する。オーケー。

係留後に冷えたビールを飲む。

今年の2月に買ったクーラーボックスが優秀だ。保冷材も優秀なのかもしれないが、ビールがキンキンに冷えている。真夏にキンキンに冷えたビールは美味い。あ〜、ホントに美味い。

女房が妻良港探検に行っているあいだに日焼け止めを塗り直して昼寝をする。ああ、極楽極楽。

安良里、妻良間の航程が2時間半なので、18時に着くように帰るなら15時半に出ればいいのだが、余裕を見て13:00に出港準備開始。

15:40安良里港に帰港

安良里港にアプローチするコースで、37フィートくらいの外来艇と並走になる。

向こうが全然減速する気配がないので、こちらが減速して先に入港させた。こっちは安良里漁協の旗をかかげている。関係ないか。

テンダーを取りに岸壁につけるようとしたが、先行艇がそこをふさぐ。横抱きしてもらおうかと思ったが、「どこに留めればいいのか」と聞いてきたので倉庫岸壁を教える。倉庫岸壁なら長時間とめておける。でもちょっと不便だけど。

こちらは給油とテンダーを引くだけなので、横抱きでもいいかと思ったが、先に出るということなので、出てもらって、そのあと着けた。なるべくテンダー溜まり寄りにして、漁業関係者の邪魔にならないように係留。

フネからポリタンを下ろして、ロードスターで軽油を買いにいく。燃料系の針は1/4を指していた。満タンで20Lだから15L買えばいい。しかしながらこういうものはちょっと多めに入るものだ。16Lくらい買うか。でも余ったらポリタンに保存はできないので困る。やっぱり15Lにしよう。

前回の給油が134時間のときだから、それから20時間エンジンを回している。20時間で15Lだ。1時間で0.75L消費。1Lで1時間20分回る。前回は1Lで3時間の燃費だったから、燃費が落ちたことになる。なぜだ。オイル変えたばっかりなのに。グランドパッキンか。その摩擦か? そんなわけないよな。そんな摩擦力がかかってたらグランドパッキンが焦げてるよきっと。たぶんタンク容量のプラスアルファぶんの誤差だと思う。でも誤差にしては大きいか。燃料とアワーメータの記録をこれからもつけていけば、納得できる数値に落ち着いてくるだろう。

軽油を買って帰ってきたら、唐草のラダー付近をのぞき込んでいるおじさんがいたので話しかけてみると、こないだ上架したときに作業したおじさんのようだ。ペラにカキがついていたんだけどどうかなと思ってのぞいていたんだそうだ。今日は最高で7ノットくらい出たから、ペラに問題はないと思う、と伝えた。気にかけていてくれてどうもありがとうございます。いいなあ安良里の人達って。

テンダーを曳航して出ようとしたときに、再び係留理事の方が現われて手伝ってくれた。

今度はテンダーのエンジンを切ってなかった。恥ずかしい。そのあと影山さんともすれ違ったし。

う〜ん。今日は失敗が多いなあ。突き指までするし。

係留場所に戻って解装。キャビンで一休み。

今日はけっこう出艇している人が多い。といっても動いているのは3艇しかみてないけど。空いているバースも5つくらいか。

一休みしてもまだ明るい。夏はいいなあ。

陸に上がることにする。

松崎あたりの飯屋を探検しようと思い、国道136号を南下する。ふと思って田子を偵察。田子から国道136号に戻る途中に店構えが美味そうな鮨屋を発見。あなご丼の文字列あり。場所を記憶。

国道136号に戻り、松崎に行ってみたが、なかなかこれといった飯屋がない。裏通りにあるのかも。ガイドブックが必要だな、と思う。

田子に戻り、チェックしておいた鮨屋に入る。店の名前は峰仙。

あなご丼に引かれて入ってきたといったら、あなご丼はランチメニューだが、そう言われては作りましょう、ということで作ってくれた。美味い。あなごの焼き加減がいい。身がほっくりしている。あと上寿司一人前を握ってもらった。寿司はまあ普通に美味い。

峰仙で特筆すべきは、魚の味噌汁だ。美味かった。ダシがいい。魚臭さを消して、魚のうま味がじっくり出ている。豊かな味だ。絶品だと思う。実にうまかった。

うぐすの湯。混んでた。ダイバーが多い。

うぐすの湯を20:15頃出る。帰る。

山伏峠に近づいたあたりで霧。すごい霧だ。濃密な霧。

この霧に危険を感じて、山伏峠から伊豆スカイラインに乗らずに、山伏峠を越えて国道135号に出ることにする。峠を越えて山を降りる。対向車が多い。これはもしかして国道135号の渋滞を嫌った人達か。だとすると渋滞に突っ込むことになる。

山を下りるにつれて、霧が雨に変わった。霧は雨雲だったのか。

国道135号に出ると、案の定渋滞。10分完全停止して100Mくらい進む。県道80号から国道135号に出てから熱海市街まで渋滞。2時間近くかかった。

熱海市街を抜けたらあとはずっとスムーズだった。

もう午前0時ちかいというのに、下りの車も多い。これは日曜の帰りはもっと渋滞するかも。

家には23:45ころ着


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