この夏最高の船遊びでした。1999.3.14記
前日夜宮川さん小田原泊。 4時半起床5時半発。私のロードスターには二人しか乗れないので、宮川さんの車で行く。カーナビ付のトヨタのクラウン。 R135から県道80、県道19で大仁からR136。R135が思ったよりも空いていたので、思ったより時間はかからなかった。 荷物をテンダーに乗せて唐草。唐草でサンドイッチとおにぎりの朝食。 テンダーを返しに行き、唐草に給水。200円。 0820出港。港を出て宅急便屋に連絡。 無風。 とりあえずメインセールをアップする。 田子島の内側を通るコースをGPSに入力しておいたので、そのコースを走ってみる。チャートとGPSがなければ走れないコースだ。干出岩が多い。ぶつかったらひとたまりもない。 コースを抜けた。さあどこに行くか。 無風で霧がある。田子島付近から雲見崎が見えない。雲見から波勝までの絶景を宮川さんに見せてあげたいが、我々はこないだ妻良に行ったばかりだし。霧もある。 霧がかかっているとはいえ、太陽も出てるし天気もいいので岩地沖(岩地の位置はここの地図を参照してください。安良里の南にあります)にアンカリングして海水浴ということにする。唐草で初めてのアンカリングだ。水深計がないのでチャートが頼りだ。 萩谷崎沖のポイントをGPSにセットする。 GPSの表示をみながら、機(帆)走で一直線に走らせる。 萩谷崎沖に到着。セールダウン。 チャートを確認しつつ、岩地に入る。萩谷崎の右側、つまり岩地側に暗礁が二つある、とチャートは言っている。目視で確認。たしかにある。我々の現在位置は正しい。 チャート上の水深3メートル付近でアンカリングすることにする。岩地海岸海水浴場の海水浴エリアのブイから50メートルくらい沖か。まわりにはパワーボートもヨットもいないが、海水浴客が乗った手漕ぎのボートは何杯か出てた。 海岸はきれいな砂浜のようだ。海水浴客も大勢見える。大勢といっても、西伊豆の大勢である。三浦や江ノ島に比べればスカスカである。 フネを止めて宮川さんに舵をまっすぐにして持ってもらい、バウに行き、アンカーをセットする。 アンカーにチェーンをつけ、アンカーヒッチでチェーンとロープを結ぶ。アンカーをゆっくりおろす。意外とすぐに海底についた。ロープをすこしずつ出す。フネが風下に流されていく。風が弱いのでゆっくりだ。アンカーロープを繰り出しながら、ときどき引っ張ってアンカーのききぐあいをチェックする。よしよし。効いている。ばっちり効いている。じゅうぶん繰り出したところでクリートする。 アンカーロープはだいぶ余った。コイルしておく。 アンカリングが完了したので、とりあえずビールだ。優秀なクーラーのおかげでキンキンに冷えたビールが飲める。うまいなあ。幸せだなあ。 幸せをかみしめてから、再びアンカーの効きぐあいをチェックする。効いている。よしよし。アンカーが効いているのは嬉しいことだ。 水着を持ってきてない。が、水に入りたい欲求のほうが大きい。Tシャツを脱いで、短パンで水に入る。つめたくて気持ちいい。ちょうどいい水温だ。水はとてもきれいだ。エメラルドグリーンというよりももっと深い緑だ。碧と言いたいくらいの色だ。透明だが、底は見えない。海藻がびっしり生えてるんだろうか。海面に浮かんでいる海藻はアマモのようだ。 船の回りを一回り泳ぐ。気持ちいい。 フネに上がって、ライジャケを着る。こないだ買ったサンファンのライジャケだ。これがどのくらい浮くかのチェックもかねて、ライジェケを着て水に入る。ライジャケがあるのでラクに浮いていられる。ボーッっとして水に浮かんでいる。まさに海水「浴」だ。 フネの回りでしばらく浮かんでいたり、フネをチェックしたりする。船底にはすでに薄く苔のような海藻がついていた。水中マスクがないので、潜ってもペラは良く見えなかったが、手で触ると1センチ四方くらい少しザラっとしたところがあった。 フネに上がって、またまたビール。 宮川さんはデッキで昼寝に入った。そうこうしているうちに女房もキャビンで昼寝に入った。俺はまだビールを飲んでいる。1150時になったのでNHKラジオをつける。天気はこのまま持ちそうだが、風も吹かないみたいだ。というか東寄りの風が吹いているので、こっち(西伊豆)側には風がこない。 セミの泣き声を背景にして、遠くに聞こえる海水浴場のざわめき。ラジオは「昼のいこい」(だと思う)が始まり、山口県のNHK農林水産員のレポートを典型的なNHKラジオの口調でアナウンサーが読んでいる。 ああなんて楽しい時間なんだろう。昼寝をしている二人もきっと黄金の昼寝を楽しんでいるんだろうと思う。
花曇りの空を通して差し込む夏の日差し。水面をわたる優しい風。かすかに揺れるヨット。 ビールをごくっ。ああ嬉しい。 そうこうしてるうちにビールがなくなった。でもまだ飲みたい。 海水浴場の浜茶屋でビールを買ってこようと思う。帰りは手漕ぎのボートをチャーターだ。でもどうやって? まあいい。そこらの少年にボード代を出してあげるから沖のヨットまで乗せてくれといえば何とかなるだろう。 こんなことなら、エムリ(去年買ったアキレスの手漕ぎゴムボート)を持ってこればよかった。後悔。次は必ず持ってこよう。 ライジャケを着て、海岸に向かって泳ぐ。距離だいたい100Mくらいか。 ときどき後ろを振り返えって唐草を眺める。いいなあ。しみじみ。 ゆっくり泳ぐ。ライジャケを着てるので、進む時は抵抗にはなるが、休む時はラクに浮いていられる。休みながら泳ぐ。ちょっと進んでは休む。 足がとどくところまで来た。かたく締まった砂の感触を足の裏に感じる。 上陸し、貸しボート屋に行ってみる。ボート代1時間千円。沖のヨットまで送ってあげることはできないそうだ。 ボート代出してあげるからヨットまで乗せてって、という交渉をする少年を探しながら、浜茶屋が並んでいる(3軒)あたりに行く。なかなかヒマそうにしている少年はいない。 浜茶屋兼貸しボート屋で、ここで買ったものを沖のヨットに持っていきたいんだが、ボートに乗せて行ってくれないか訊ねてみた。すんなりオッケーしてくれた。いい店だ。そのサービスに応えようとビール6本、焼きイカ、モツ煮を買う。3300円。ボートを借りることを考えれば安い安い。 イカを焼いている間に、店のおじさんと話をする。おじさんは大工だそうだ。「海の水がきれいですねえ」と言うと、今日はこれでも水が濁っているそうだ。なるほど。 昔はカツオまぐろ船が6杯いたそうだ。こんな小さな漁港でも。 イカが焼き上がり、ビールとモツ煮をもって、浜茶屋のボートに乗る。漕いでくれるのは、茶パツでピアスの若者だ。顔立ちがスッキリしているので、けっこう似合っている。聞けば料理人をめざして修業中だそうだ。ちょっと前までイタリアンレストランで働いていたそうだ。今は次の店に移る前に実家で夏休みだそうだ。料理人の修行は1年で次の店に替わるのが普通だから、彼もこれから何件もレストランで修行するんだろう。 唐草に横付けして、買ってきたものを船に上げる。そして俺も乗り込む。 シェフの卵の若者を見送る。 さて、再びビールだ。今度はイカ焼きもモツ煮もある。モツ煮はこってりしてスパイシーな味付けだ。美味い。料理はオヤジ向きだが味付けは若向き。 それにしてもビールが美味いなあ。 ビールに飽きるとライジャケを着てまた水に入る。
14:30抜錨。 岩地の入江を出る。 風は南東か。しかし、帆走できるほどは吹いていない。 機走で帰る。来たときと同じように田子島の内側を通る。 干出岩がだいぶ水没している。洗岩みたいになっている。 GPSによれば、対地速度は5ノット前後。来るときも5ノット前後だったから、潮はあんまりきつくないのかな。 1600安良里着。 港に入り、テンダーを取りにいく。曳航して係船場所へ。 解装して船内外を片づけてフネを軽く洗って、一休み。 さあ、帰るか。荷物を唐草から下ろして、テンダーに乗り込む。港を一回りして、ゲストサービス。光新丸の近くも通る。 うぐすの湯の駐車場が、かつてないほど混んでいたので、ホテルニューオカベに行ったら、6月以降は5時以降は入浴のみの客は入れないんだって。ちぇ。冬場はあんなに空いているのに。 うぐすの湯に戻る。混んではいるが、出る人も多いので思ったほど混んではいなかった。 風呂から上がり、休憩所で食事。俺はカレー。女房は干物定食。宮川さんはうどんと干物定食。 1930時頃うぐすの湯発。宮川さんのカーナビが指定したコースで帰ることにする。 カーナビは仁科峠コースを指示した。仁科峠は行ったことないので、どんな道かわからないが、行ってみることにする。 仁科峠越えのコースは、細くて曲がりくねった山道。よっぽどのことがないかぎり使うのはやめようと思う。1車線の山道は疲れるし、速度を出せないので時間もかかる。 仁科峠を越えてR414。R414がR136と合流してから県道19へ折れて、亀石インターから伊豆スカイライン。箱根ターンパイクで小田原へ。 今日も東が吹いていたので、伊豆スカイラインは霧が出ていたが、中川さんの時ほどではなかった。 渋滞なしで2200時に小田原着。
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