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吸気系のエンジントラブルと土肥港

日付 1999年04月17日(土)

天気 薄曇り 風向 北〜南 風力 0〜2  波高 0.5〜1.0
行き先 土肥港
出港時刻 1030 帰港時刻 1530
乗員 2名


エンジンがかからない。

唐草に着いて、艤装を終え、テンダーを返しに行こうとエンジンキーをオンにして、セルを回したが、セルは回るがエンジンはかからない。

ありゃりゃりゃりゃである。

エア噛んでるのかな。セルが回ってエンジンがかからない時の原因として、エア噛しか思い付かない。

エンジンルームにアクセスするためにコンパニオンウェイの階段をはずす。

こないだ覚えたばっかりのエア抜きの手順で、エア噛んでるかを確認。問題なし。燃料に泡は混じってない。

マニュアルを読むが、「簡単な故障と修理」にはエア抜きくらいしか載っていない。

漁協に電話して相談する。

仁科ヤンマーと前回お世話になった山本発動機の電話番号を教わった。

早速電話する。時刻は0830。

山本発動機は電話の呼び出し音は鳴るが、つながらない。まだ出社してないんだろうか。それとも出かけちゃってるんだろうか。

仁科ヤンマーに電話してみる。出た。午前中には行けないかもしれない。午後には行けると思うとのことだった。来る前に電話をくれるとのこと。

仁科ヤンマーのエンジニアが来る前に、1級小型船舶免許の講習のときに使った教科書の機関のところを読んだり、さらに1GMのマニュアルを読んだりして確認する。なにが悪いかわからない。

関係ないと思うけど、オイルをみたら、下限に近かったのでオイルを追加しておく。

セルを回して、エンジンを観察する。

セルを回したあと、かすかに薄青い煙が出た。どっから出てるかわからない。これがなにか臭い。こんなところで煙が出るなんておかしい。おかしいとは思うが、どうしたらいいかわからない。

0900頃電話があり、仁科ヤンマーのエンジニアが来てくれることになった。予定よりも早く来れるようになったようだ。ありがたい。

仁科ヤンマーのエンジニアもセルを回したあとの薄青い煙に気がついた。気付いてからが本職は違う。この煙は、吸気口(エアクリーナーの空気取り入れ口)から出ていることをすぐにつきとめた。なるほど。考えてみれば、エンジンが大気と接しているのは吸気口と排気口しかない。排気口はスタンにあるので、エンジン周辺から煙が出れば、これは吸気口からの煙に違いない。でも普通は「吸気口」から煙が「排気」されるとは思わないよな。普通じゃないからエンジンかかんなかったわけだけど。またひとつ勉強になった。

エアクリーナーを外して確認。エアクリーナーのスポンジに軽油の霧が付着していた。さらにエアクリーナーに軽油の臭いを確認。

エンジンのヘッドを外してバルブのスキマチェック。スキマゲージ。OK。

セル回して。エンジン始動。かかった。

根本的な原因は不明だが、今回のエンジンがかからなかった直接の原因は、吸気側バルブがなんらかの理由(微細なごみ(エンジンのアタリがつく過程で出るゴミか?)?)でしっかり閉まらなかった。そのためシリンダー内の圧縮が十分に行なわれず、軽油をシリンダー内に噴射しても発火しなかった。その噴射した軽油の霧は吸気バルブからエアクリーナーを通じて逆流し、薄青い霧となって外気に出てきていた。吸気バルブのスキマチェックによって、その原因が取り除かれたため、エンジンがかかった。

なるほどなるほど。納得納得。

仁科ヤンマーのエンジニアは丁寧な言葉遣いで作業内容を逐一教えてくれならが作業してくれたのでとても勉強になった。どうもありがとうございます。

トラブルは勉強のときでもある。今回のように、係留場所でエンジンがかからない、というのは幸いというほかない。勉強になるし、安全だし。

エンジンがかかったのはいいが、そのまえにだいぶセルを回したので、ちょっとバッテリーが心配だ。今日はずっと機走か機帆走だな。

唐草でテンダーを曳航して、テンダーを返しにいく。

テンダーを戻して、トイレに行って唐草で出港。1030。

今日は一日風が吹かないみたいなので、ずっとエンジンかけててもそれほど悔しくないだろう。

土肥の港に行ってみることにする。

黄金崎、廻り崎(恋人岬)、丸山崎を通って土肥港だ。だいたい6,7マイルくらい。時間は1時間半といったところだろう。

赤潮が発生していた。海面にピンク色の帯。

初めての港に入るのは緊張する。緊張するが嬉しい。ちょっとした探検気分だ。港の入口で写真を撮る。


土肥港入り口


港を一周して係留できそうなところを探す。漁船で作業している人がいたので、近くに寄って1、2時間係留できる場所をたずねた。そしてその指さす方向の岸壁に係留する。

と、そのとき一杯のクルーザーも入港してきた。35フィートくらいのジャヌーだ。船底塗装していないので、上架艇だろう。どんどん接近する。同じところに止めようとしているのか。ほぼ平走したときに言葉をかわし、意思を確認しあう。

我々はジャヌーの前に止めることにする。

潮が引いているので、岸壁がとても高い。

でも、風がないので操船はラクだ。

岸からぶら下がっているロープに女房がつかまって、フネを止めているスキに私が岸壁をよじ登って、女房から係留ロープを受け取り係留する。

ジャヌーは5人乗っているし、大きくてデッキも高いのでラクラク係留していた。

係留が済んで、ジャヌーと挨拶。

マリンピア沼津から来たそうだ。ここにも何度か来ているようで、この港のことに詳しかった。

ジャヌーの一行はメシかフロにでも出かけたようだ。

私は小用を足しに公衆トイレへ。港にはかならずトイレがある。これもクルージングするようになって学んだことのひとつだ。

ついでに港の近くを偵察。酒屋を発見してビールを購入。

フネに戻り、食事。

燃料計のハリが半分くらいを指しているので、帰ってたら軽油を買おうと思っていたが、港の近くにガソリンスタンドがあったので、ここで給油することにして、ポリタンを持って軽油を買いに行く。

1000円ぶんで12.5L。ついでに観光センターで土肥のパンフレットをもらってくる。

フネに戻り、給油。

パンフレットをみながらしばし休憩。


土肥港のようす
左の小さいのが唐草


1330土肥港出港。セールアップし機帆走で帰る。

無風から南に風が変わっていた。

1530帰港。係留場所へ。

解装して片づけして一休み。

再び係留場所から唐草を出して、テンダーを取りに行ったら、テンダーが一杯もない。係留場所でテンダーを横抱きにしているフネの人に乗せてってもらおうと思い、そういうフネを探す。

協同丸(共有テンダーの名前)を探して、港をウロウロしていたら、倉庫岸壁のナウティキャットの横に協同丸が。

ナウティキャットの近くまで行って、岸壁に協同丸が1杯もないので、岸まで乗せて欲しい旨を伝えた。快諾してくれた。

唐草を係留場所へ回す。

協同丸に乗せてくれたのは、須貝さんというナウティキャットのオーナー。海の近くに住みたくて下田に越してきたという話だ。ナウティキャットも下田に係留していたのだが、最近安良里に持ってきたらしい。ナウティキャットのオーナーになって6年。他にもいろいろお話した。

協同丸が全数出払っていたのはちょっと不便だったけど、こうやって知り合いが増えるのは楽しい。

岸壁まで送ってもらって、須貝さんと別れる。


さて、今日はどこの温泉に行こうか。

土肥の馬場温泉楠の湯がお気に入りなのだが、新しいところも行ってみようということで、サンセットヒル松崎に行ってみた。ここはガイドブックで露天の風景が良かったのが印象に残っている。

入浴料1000円。タオルとかバスタオルは付いていない。入浴のみで1000円。ただし1800以降は600円。

大浴場と打たせ湯、寝湯、露天ぶろ。浴槽は大きいが、洗い場は10人くらいか。

さすがに露天の景色はよかった。目の前が桜の木なので、桜の季節は最高だろうと思う。

でもタオルを浴槽内に入れるジジイ(こういうのはジジイでいい)がいたのが残念。ジジイのくせに常識ないヤツ。あまつさえ、その浴槽内でタオルで身体をこすりやがった。ったく穢ねえジジイだ。こういうことがあるとサンセットヒル松崎の印象にも影響してしまう。

出たのが、1750頃。

松崎で食事。

山伏峠から伊豆スカイライン、箱根ターンパイクのいつものコース。ターンパイクはまったく先行車ナシで快適ドライブ。全体的に空いていた。

2030自宅着。


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