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下田クルージング(往路)

日付 1999年05月01日(土)

天気 快晴 風向 北〜西南西 風力 0〜2  波高 1.0〜1.5
行き先 下田港
出港時刻 0840 寄港時刻 1415
乗員 2名


4時起床。0520出発。もう完全に明るい。この時期の日の出はだいたい5時。日没は18時半くらい。

いつもの熱海経由の山伏峠コースで行く。道は快調。渋滞なし。

途中のコンビニで食料調達。今回は水をペットボトルにいれて、ウチの水道水を入れてきた。その他に飲料水として2Lの水と1.5Lの午後の紅茶を買った。

ついたらテンダーがない。たまたま通りかかった自前のテンダー持ちの人に声をかけたら乗せていってくれるということなので、好意に甘える。アキレスの船外機付きのゴムボートだ。ウチはけっこう荷物があったので、荷物を乗せると3人は乗れないかと思ったが、ちゃんと乗れた。なるほど、ゴムボートは空気のところに乗れるから、中が小さく見えても結構乗れるのか。

乗せてくれた人はダナ24のカトウさん。ダナは一度乗ってみたいし中を見てみたいフネなので、テンダーに乗せてもらったうえに、ダナに案内してもらって、中を見せてもらった。どうもです。

カトウさんは、レーダータワー、ドジャー、ドジャーを囲むようにフレーム、インナーステイスル、バッドカー、ウインドベーンをつけている。

ダナの次に狙っているのは、40フィートのカタマランだそうだ。

安良里には茨城から回航してきた時、荒天で、24フィートのロングキールのフネが9ノットのスピードだって。すごい。さすがにそのときは足が震えたって言ってたけど。

そのことがあったので、セールは4ポンまでできるようにしたんだって。で、コクピットから出なくてもリーフできるように、バッドカーにしたんだって。すごいなあ。

エンジンは2GMの間接冷却タイプで、ペラはフェザリングの3翼。

ちなみにダナはそろそろ売りたいらしい。

もっとおしゃべりしたかったし、ダナにも乗せてもらいたかったがおいとまする。

艤装して0840出港。港を出てほとんどすぐにメインを上げる。エンジントラブルが続いたので、なんかあってもすぐ対処できるようにスグにメインを上げた。メインセールさえ上がっていれば、なんとかなる。ジブだけだと上れない。

今日の予定は、中木だが、GPSに入力した中木のアプローチを1300以前に通過したら、海況を見て下田港まで行くことにする。チャートとGPSへの入力は、前回の「下田大航海(途中まで)」[1]のときに済ませてあるので、今回はそれをそのまま使う。

[1]:しもだだいこうかい かっことちゅうまで と読んでください。

船底は掃除してから約1年なので、そんなに速度は上がらないと思う。4ノット台なら御の字という計画だ。

しかし、走ってみると、海がおだやかなせいで、波に叩かれることもないし、風も弱いけど、後ろから吹いている。潮は下げ潮で南流している(と思う。対水速度計がないのではっきりわからない)。というプラス要素が集まったせいか、対地速度がほとんど5ノット台。時に6ノット台。4ノット台に落ちることはめったになかった。

天気は快晴。写真を取る。緑が美しい。輝くような新緑だ。

雲見から波勝の景色はいつ見ても雄大だ。ダイナミックだ。雑誌には南伊豆石廊崎近辺の景色の美しさと奇景を讃えた記事を見たことがあるが、西伊豆のこのあたりの景色に比べれは、石廊崎付近は女性的な感じさえする。


雲見と波勝の間の景色


波勝崎沖を1040通過。気温23度。このぶんだと1300前に中木のアプローチポイントに着くことはほぼ確実だ。気持ちを下田航海に切り替える。GPSのルートも下田航海セットに切り替える。

三ツ石崎を回る。前回の「下田大航海(途中まで)」ではここを回ったところまで来たのだ。ここから先は唐草で初めて[2]の航海だ。

[2]:(回航のときに石廊崎を東から西に回ってはいる)

三ツ石のあたりから、山の高さが低くなり、岸からの威圧感が減ってくる。

鰹島の外側を廻り、石廊崎沖のポイントへ。このあたりは、なんだかザザザザザっていうか潮を海底の地形の関係なのか、イヤな感じの海面だ。これで大西が吹いたら、どんな海況になるんだろう。

1200石廊崎を通過。気温23.5度。


石廊崎をバックに


風が上がってきた。西南西くらいか。機帆走してても、後ろからソヨソヨ風を感じる。けっこうきてますよ。これは。

GPSを信用しているので、比較的岸よりのコースを設定してある。帆走するならこのコースより沖でしたい。

いい風だ。10ノットオーバーくらいか。(風速計で測るのを忘れた)この風で上りだと、リーフしないといけないが、フリーならグッドである。でもスピンがないので、それほど落とせないが。

コース変更。サク根をかわして、御子元島狙いのコースにする。これなら帆走できる。

フネを多少風上に向けて走りだす。ジェノア展開。

エンジンカット。

おお。ナイス。これだぜ。ヨットは帆走。これだね。

チャートで確認してるとはいえ、神子元の内側のセーリングはちょっと怖いなあ。

神子元と下田港の灯台の見通しあたりで、セーリングを中止して、下田港に向かう。

神子元島と下田港の灯台の見通しラインに乗って走らせる。GPSの下田港の灯台の位置を呼び出して"GOTO"モードでセットする。

残り0.5マイルになったところで、余裕を見てセールダウン。

1345下田港入港。

下田港に入港して稲生沢川の係留場所へ行く。

既に5杯横抱きしてあった。その一番外側のフネに横抱きさせてもらう。誰もいなかったが、事前の調査によれば、この場所は横抱きで係留するところだし、一番外側のフネがフェンダーを下げていたので、ここに横抱きしてもいいよ、というサインだと解釈して、横抱きさせてもらうことにする。

1415係留完了。

解装。セールをたたむ。

とりあえず、ビールを買いに出かける。

まず、岸壁のトイレで用を足す。港には必ずトイレがある。近くのガソリンスタンド(おお、こんな近くにガソリンスタンドが。あとで軽油を買いにこよう)で酒屋の場所を聞く。

係留場所のそばにトイレ、水場、ガソリンスタンド、酒屋、風呂屋、コインランドリー、氷屋、ちょっと離れてスーパー、なんでもある。大都会だ。

ビールのロング缶2本買って帰る。

唐草に戻って、プシュ、ゴクゴク、プハーである。美味い。空は快晴。風はそよかぜ。

緊張が解けていく。

お隣さんが帰ってきた。ご挨拶をする。サクラという船だ。宿を探しに行ってたらしい。葉山から来たんだって。明日は6時出港だそうだ。我々はフネに泊まってるので、問題ないですよ。

つまみにカップ焼きそばを作る。うまいねえ。ビールに合うよ。私はこのカップ焼そばとビールの組み合わせがとても好きだ。

そうこうしていたら横抱きさせてください、というフネが来た。このフネも葉山から来たらしい。

男女大勢乗っていた。

ブームにカッパを干して、男達が出かけていった。女の子達は身繕いしてから、出かけるようだ。女の子が唐草を通って行きたいんだけど、どうしたものか、という顔つきだったので、他人のフネを通るときは「すみません」とか「失礼します」とか「おじゃまします」言って通ればいいですよ、と教える。

早速「失礼します」と声をかけて、通っていった。こっちは「はーい」とか「どーぞー」とか答える。

先に出ていた男たちが帰ってきた。そのうちの一人(太めだったので便宜上Dと書かせていただく)が唐草に黙って乗り込み、唐草のデッキの上で我が物顔に振舞う。通ったらすぐ自分のフネに行け。このDはブームに干してあるカッパの上に無造作に自分のカッパを乗せて乾かそうとした。これでは下にあるカッパは乾かないだろう。まったく無神経なDだ。そのくせ話す内容はえらそうなことを言っている。そのあと女の子たちが1艇ごとに「失礼します」「失礼します」「失礼します」「失礼します」と言いながら、近付いてきて、そして唐草を越えてお隣に戻った。

全員揃うと、係留場所を間違えた、とか言って出ていった。下田ボートサービスに予約していたそうだ。

女房がトイレがてらビールを買いに行ってくれた。

キャビンに入り、雑誌を読む。

下田のガイドブックを読む。

1700食事へ。きんめせん昇竜。私が金目定食2800円で、女房が伊勢えび定食3000円。豪華な晩御飯。


金目定食


きんめせん昇竜で風呂屋の場所を聞いた。

食後に下田の町を探検/散歩。古い町らしく、道が狭い。

店がたくさんある。なんでもある。

散歩ついでに伊豆急下田駅に行き、伊豆急の時刻表をもらう。明日来る橋さんの電車を調べるためだ。

コンビニであすの朝飯を購入。下田にはコンビニもある。

銭湯昭和湯。340円。浴槽がとても深い。

ああ。さっぱりさっぱり。

キャビンでワインを飲む予定だったけど、もうおなかいっぱいでここちよい疲労につつまれているので、そのまま寝ることにした。

2030就寝。


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