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二代目唐草の初航海
日付 1999年08月29日(日)

天気 晴れ 風向 西南西 風力 0〜2 波高 0.5
行き先 内浦湾内
出港時刻 1100 到着時刻 1200
乗員 2名



朝食がすんで、出発の準備もできた。宿の人にタクシーを呼んでもらおうと思ったら、宿のボルボでマリンピアまで送ってくれるということなので、ありがたく送ってもらうことにした。

マリンピアに向かいながら、宿の人とヨットの話になった。宿の人はヨットは高価なもの、というイメージがあるようだが、私のヨットはこのボルボよりも安い、というのを説明した。中古の25,6フィートのヨットの相場は、だいたい100万円から400万円くらいである。もちろんもっと安いのもあれば高いのもある。ボルボなら400万オーバーというのは普通だ。


トラックに積まれた初代唐草


マリンピアに到着したら、マイレディがトラックに積まれていた。これから油壺の京急マリーナに陸送されていく。

トラックに積まれたマイレディの写真を何枚もとった。とうとうお別れだ。

このフネを持って、いろんなことを学んだ。楽しいこと、面倒なこと、つらいこと。

私はすこしは成長したのだろうか。

二代目唐草の出港準備をしているときに、マリンピアのロイ鈴木さんがジェネカーの扱い、テーピング、リーフロープの回し方、シャックルの向き等々を教えてくれた。どうもです。

出港準備完了。マリンピアの事務所へ挨拶しに行って、いざ出港。


岩瀬夫妻に見送られてマリンピアの桟橋を後にする

岩瀬夫妻が見送ってくれた。

我々はマリンピアの桟橋を後にした。



大瀬崎沖に向けて走らせる。

アナログのスピード計が5ノットから6ノットを指す。フォールディングペラでも懸念していたよりも力があるようだ。

エンジンの回転は3千回転をやや下回るくらい。

風はほぼ無風。


初航海に向けて

淡島を越えたあたりで、メインを上げようとエンジンをアイドルに絞ったら、
ピ━━━━”。
水温の警告灯がついている。だめだ。エンジンカット。航海中止。マリンピアに戻ろう。

見送りしてもらった岩瀬さんに電話してみる。無風なので、曳航してもらおうかと思ったのだ。しかし出ない。

携帯電話に記憶させてあるマリンピアにかけてみた。かかったのは沼津マリーナだった。間違えて入力していたようだ。沼津マリーナの人は親切にもマリンピアの電話番号を教えてくれた。どうもです。

マリンピアに電話する。渡辺さんが出た。

「セーリングで近くまで来て、それからエンジン回して。もしピーになっても大丈夫だから」とのこと。なるほど。確かにその通りだ。

ディンギーに乗っていたころは、帆走だけでどこにでも行っていたではないか。オーストラリアに遠征してレースに出場したときは、砂浜から出艇して、近所のハーバーまで行ったりしていたではないか。サンディエゴにアメリカズカップを見に行ったときに借りたヨットは、エンジンなしの20フィートくらいのキールボート。そのヨットでマリーナからマリーナへとクルーズしたではないか。ディンギーで東京湾横断(野比から金谷)したり、金田湾縦断して城ヶ島一周して戻ってきたり、野比から猿島往復セーリングしたではないか。セーリングだけでどこでも行ってたじゃないか。ヨットはエンジンがトラブったからといって動けなくなるわけじゃないんだ。こんなあたりまえのことを見失っていた。恥ずかしい。

風がないとはいえ、まだ午前中だ。時間はたっぷりある。風の吹き出しを待てばいい。この天気とこの暑さだ。きっとシーブリーズがくる。

買ったばかりのフネが“ピー”になったので、きっと動揺していたんだと思う。もう落ち着いた。冷静に振る舞っていたつもりだが、根っこでは焦っていたのだ。

早速、二代目唐草も私に学ぶ機会を与えてくれた。学習学習。

セーリングしようにも風がないが、とりあえずメインを上げる。

ジェノアを開こうとしたら、スピンハリを巻きこんでしまって開けない。昨日は開けたのになあ。どうしたんだろう。無理して開いて、閉じなくなったり、降ろせなくなったりすと大変なので、ジェノアを開くのは中止。これは戻ったらチェックだ。

風のないなかをジワジワ走らせる。淡島のピンクのホテルにだいた120度くらいで走らせる。

ジャイブを打って、風が丁度入ってきたころ、岩瀬艇が来てくれた。すぐにでも曳航してもらおうか、とも思ったが、風が出てきたので帆走で行けるところまでいくことにする。2ノットくらは出ている。こうやって知り合いが来てくれるだけで、すごく心強く感じた。どうもありがとうございます。

岩瀬艇とお互いの写真を撮りあう。

マリンピアに近づき、エンジンスタート。かかった。ピーは鳴らない。少し冷えたせいだろう。でも安心はできない。

艇を風位に立ててセールダウン。初代のメインのラフはボルトロープだったが、二代目はスライダーだ。ラフがばらけない。

機走で桟橋へ。

係留。浮桟橋なのでとても係留しやすい。

渡辺さんに事情を説明し、エンジンを見てもらった。

今回の現象は、吸水された水がインペラを通って、ヘッドへ行くのと、そのまま排水されるところの問題らしかった。そのあたりのパイプが詰まっていると(例えば、長い間乗らなかったりすると塩が固まって)こういうような現象が出るらしい。排水はしっかり出ているのにピー(水温)のときの典型的な症状らしい。

パイプをコジってはずすと海水がいきよいよく出てきた。あら、そんなに詰まってないね。でもドライバをつっこんだら抵抗が。やっぱり少し詰まっている。ドライバでスコスコして、分岐の先は割り箸を折ったものでスコスコしてから、再びパイプ類をつなぎ直す。渡辺さんが作業して、私は見ていただけ。学習学習。

エンジンを3千回転で回す。5分間回す。そのあとアイドリングに落とす。鳴るなら今だ。鳴らない。直ったみたいだ。

でももう時間が時間なので、本日の出港は中止する。今晩一晩マリンピアに泊めてもらって明日出港することにする。

エンジンが直ったので、岩瀬さんと試運転に出かける。

前回と同じように3千回転でしばらく走ってからアイドリングにしてみる。

あやや“ピ━━━━”だ。同じだ。

何度か同じ状況を作ってテストしたが、同じだ。

回転を落とすと、ピーになる。ピーのまま3千回転に戻して2、30秒くらいでピー鳴りやむが、この30秒は長く感じる。

マリンピアに戻って、渡辺さんに連絡。

3千回転で回し続ければ問題はないので、機走で安良里に戻り、仁科ヤンマーに見てもらおうかとも思ったが、渡辺さんはちゃんとした状態で出港させたい、とのことなので、その言葉に甘えさせていただくことにした。でも今日はもう陸路でも安良里には行けない(と思う)ので、フネに泊まることにする。フネは週末まで置かせてもらえることになった。


マリンピアの桟橋で修理を待つ二代目唐草


明日の月曜はマリンピアが休み。その次の日の火曜は渡辺さんの都合がつかない。実際に見てもらえるのは水曜になる。

渡辺さんの見立てでは、この現象は、たぶん水温検知のセンサーの誤動作ではなくてサーモスタットの不良ではないかということだ。ということは部品次第ではもっと長くなるかも。



岩瀬さんにマリンピアのシャワールームに案内してもらい、使わせてもらった。ああ。極楽だ。疲れが流れていく。疲れが排水口に吸い込まれていく。

岩瀬さんは4時半に人と待ち合わせているというので、それが終わるまで、船内で昼寝。ラジオを聞きながら昼寝。ちょっと揺れるなここは。

そのあと、カレー屋につれていってもらった。美味かった。岩瀬さんにはなにからなにまでお世話になってしまった。どうもありがとうございます。本当に感謝しています。

マリンピアまで送ってもらって、我々はフネで寝る。

二代目唐草のバースは初代よりも寝やすい。バースも広くなったし、クッションも丁度いい硬さだ。

夜中に2度ぐらいしか目が覚めなかった。








日付 1999年08月30日(月)

5時半に起き、江の浦のバス停に時間を見に行く。コバルトアローが0825沼津発でその次が1040なので、0825発のに遅れたくない。それに間に合うようなバスに乗りたい。沼津駅で乗り換えなので、余裕をみて0640のバスに乗ることにする。

0630にフネを後にする。と、突然大音響でラジオ体操が流れた。びっくりした。これは0630になると毎日やってるんだろうか。

0640のバスに乗り、沼津駅へ、沼津駅から沼津港までは別のバス。0710に沼津港着。道がすいていれば、江の浦-沼津港はバスで30分なのか。沼津駅の乗り換えがプラス15分として45分。ということで、すいていれば45分で江の浦から沼津港まで行けるわけだ。

0825のコバルトアローに乗って、土肥へ。


土肥港に着いたコバルトアロー


0905土肥港着。沼津港からたったの30分で到着した。コンバルトアローはさすがに高速船だ。早い。でもお客は4人だけだった。一人2500円だから10000円。これじゃあ燃料代にもならないんじゃないのかな。大丈夫か伊豆箱根鉄道船舶部。

0936土肥港発の東海バスで安良里へ。安良里着は1010頃。

漁協に行って、近藤さんに挨拶。唐草はいま沼津のマリーナに置いてあり、来週くらいに回航してくる、その際唐草はひと回り大きくなる、ということを伝え、サイズアップの契約について尋ねた。

ロードスターでマリンピアの唐草に戻り、洗い物その他を積んで、小田原に帰る。

安良里とマリンピア間は約45キロ。

安良里とマリンピア間の交通費:

江の浦-沼津駅(バス)  440円
沼津駅-沼津港(バス)  190円
沼津港-土肥港(高速船)2,500円
土肥港-安良里(バス)  710円
合計 3,840円

二人だから7,680円。

来週はロードスターでマリンピア。 マリンピアから安良里へ回航。だいたい5時間くらい。 安良里からバスと高速船でマリンピア。 マリンピアで車をピックアップしてから帰宅、という予定でいこうと思う。

予定:
マリンピア0500発
安良里1000着
安良里1057発のバス
土肥に1130頃着
土肥港1155発の高速船コバルトアロー
沼津港に1330着

マリンピアには1430から1500には戻れる。

とはいえ天候次第なので、
最終のコバルトアローに合わせた予定:
安良里1452発のバス
土肥発1610発の高速船コバルトアロー
沼津港に1700着

これだとマリンピアにはだいたい1800頃に戻ることになる。

遅くともマリンピアを8時頃には出港したいところだ。

今回のトラブルのおかげで安良里とマリンピアの公共交通機関の往復代が予期せぬ出費となった。7,680*2で15,360円。やむなし。


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