ジェネカーを揚げた
橋さんと3人でレンタカーを借りての安良里行き。 0640発。箱根新道、伊豆中央道コース。 港についたら、テンダーが1杯もなかった。さあどうしようかと思っていたら、テンダーに乗っているマハロのオーナーを偶然見かけたので、声をかけて乗せてもらった。どうもです。 マハロのオーナーはキャプテンサンタにそっくりなので、遠くからでも一目でわかります。 今日はたくさんの人が来ていたみたいで、多くのヨットにひとかげがあった。 0930出港。 港を出てセールアップ。私がマストについて、橋さんがウインチ。めぐみが舵。3人だとホントにあっというまにセールが上がる。 今日は橋さんというクルージングのベテランの経験者が乗っているので、一度も行ったことのない仁科漁港に行ってみることにする。 仁科港の近くは、観光船がたくさん走っている。高島あたりから波勝くらいまでが観光コースのようだ。仁科漁港の入り口に島がある。ちょっと恐い。島の裏側には洗岩があるし、港の入り口は狭い。 入港するときに出船があったので、入り口で待つ。待つためにエンジンの回転を落としたらピーだった。あたりに響き渡った。ちょっと恥ずかしい。クラッチを切って回転を上げて、音を止める。 港に入って、どこにつけようかと探したけれど、仁科漁港はつけるところがない。あいているところがあったのだが、ここは大きなフネの専用岸壁っぽい。コバルトアローの岸壁という感じがする。西伊豆セーラーのカンだけど。でもそこしかなかったので、とりあえずそこに仮止め。1052。5.7マイル。
近くにいた人に聞くと、そこは大きなフネが出入りするらしい。ますますコバルトアローの専用岸壁っぽい。入港しそうな船に注意して、フネが見えたらすぐに離岸できる体制にしておく。 トイレを交代で済ませてすぐに出港。1130。 経験者の橋さんが来てるので、今日はジェネカーを上げてみることする。風が弱くて、波も全然ないので、新しいことを試すには絶好の日和だ。 バウでジェネカーをセット。 私が舵とジェネカーシート。橋さんがホイスト。女房には手順を見て学習してもらう。 上がったが、ジブシートの内側を通してしまっていたので、それをなおす。 女房にジェネカーのトリムのしかたを教える。 ラフがヒラヒラしたら、引く。で、また緩めるのくり返し。 トリムの量と加える力の関係は、経験してもらうしかない。 ジェネカーが風を孕むと、加速し、風が前に回る。速度とともにだんだん前に回る風向に合わせてトリムしていく。 ジェネカーは強力なセールだ。ほとんど風のない中でも艇速が3ノットくらい出た。ジェネカーがなかったら機走するしかない風域だ。 微風で思い出したが、微風のレースの楽しみは、レース中のどんな順位でも挽回の可能性があるということだ。うまくブローに乗れば、あっというまにごぼう抜きできるし、正しい海面に行けば、中位集団からトップにまで躍り出ることができる。そのために大切なのが、ブローをつかむまでのがまんの走りだ。とにかく艇速を失わないうようにがまんする。上り角度よりも艇速重視。上り角度のせいで速度を維持できないときは、場合によっては周りのフネよりも10度以上落とすことだってある。艇速がなければなにもできないのだ。それに微風でいったん速度を失ったら、再びスピードをビルドするのには、たいへんな時間がかかる。たとえば、我々の艇が10度も落として速度があって、周りの艇がほとんど止まっているようなときに、周りの艇が我々を見て10度落としても我々には絶対追いつかない。スピードビルドの時間のせいだ。とにかくセールに風を流して、決して剥がしてはいけない。角度を失うことがあっても。 がまんして走っていれば、必ず風のプレッシャーを感じる時がくる。風の力を感じたら、メインのリーチを風に合わせて徐々にしぼってやる。するとホースで水をまくときに、ホースの口を小さくしたみたいに、フネが加速する。それに合わせて角度も少し上れるはずだ。リーチをしぼりすぎたり、上らせすぎたりすると失速するので加減しないといけない。再び風の力が抜けてきたら、リーチをひらいて、角度を落として、とにかく風を流して艇速を止めないようにする。 この話は私の考えなので、みんながみんなそうしているわけではないと思う。ほんとうに速い人は、速度も角度もどちらも持っている。 話がそれた。 基本的なトリムさえしていれば、リベッチオはズンズン加速する。刻一刻と変化する風に合わせて小刻みにトリムしても、そんなことにはいちいち反応せずに、委細かまわず、フネが自分で速度を決めたかのようにマイペースで進む。逆に言えば、多少のことでは、失速しないフネだ。これはディンギーやレース艇、先代の唐草、今まで乗ったレーサークルーザーと比べての話である。もちろん無理なトリムでは、いかにリベッチオとはいえ、速度は出ない。 仁科漁港から、松崎沖のほうまで出てジャイブ。ファーラのところに、ジェネカーシートがひっかかったけど、橋さんがすばやく取った。三人いるといろんな意味で安心だ。ミスやトラブルが致命的になる前に対処できる。 ジャイブの後は橋さんがジェネカーをトリム。 徐々に上らせていくと、どんどん上る。このセールはけっこう上りでも使えるセールだ。この風域だと、みかけの風が45度くらいまで上る。
ひさしぶりにスピンクロスのシャカシャカの音を聞いた。いい音だ。懐かしい。 田子島の手前で、風がまったく落ちてしまったので、ジェネカーをしまって、機帆走にする。 港の手前でメインセールダウン。今度は徐々に回転を落としてみたらピーはなかった。落としたといってもアイドリングではなく1200-1300回転くらい。 岸壁で橋さんを降ろして、テンダーで係留場所に来てもらうことに。 我々は係留。1333。 片付と掃除をして、お茶を一服してからテンダーで戻る。1400。 橋さんが宝市場でおみやげを買う。ついでに我々は、4匹1000円のアジのひものを買った。アジの干物は大きいほうが美味しいと思う。それと600円のわさび漬け。橋さんはひものを2000円ぶん買っていた。 魚武で食事をしようと思ったのだが、駐車場が混んでいて車を止められなかった。三共食堂へ行ってみる。意外と空いてた。ここは混むとすごく待たされる。 三共食堂の小あじ寿司(大)1500円とかさごの味噌汁800円。うまかった。 食事に大盤振る舞いをしたので、今日も「ふくしの湯」に行こうと思ったが、ふくしの湯の開店時間は午後4時からだった。カギがかかってて入れなかった。 しかたがない。土肥温泉の楠の湯へ。ここは露天があって、源泉で気持ちいいんだが、浴槽にタオルを入れる年寄りと出会う確率が高いのがイヤだ。今日もいた。じいさん、浴槽にタオルを入れるのは自分のウチの風呂だけにしてね。これは意外なことだと思うのだが、この西伊豆の温泉では若者がタオルを浴槽に入れているのを見たことがない。 浴槽にタオルといえば、テレビ番組の温泉紹介も悪い。入浴シーンでは「撮影のため、タオルを巻いて入浴していますが、浴槽にタオルを入れるのはマナー違反です。決してマネをなさらないように」というようなテロップを入れるべきだと思う。 1600に上がって、帰ることにする。 橋さんは、小田原から新幹線に乗るよりも、修善寺駅から電車を使って三島に出たほうが、時間を読めるし、たぶん早いということで、橋さんとは修善寺駅で別れる。 山伏峠、ターンパイク経由で帰宅。 レンタカー屋には1810に返した。
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