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琴塚港到着

日付 2006年6月25日(日)

天気 小雨時々曇り、全般に小雨
風向 不明 風力 0〜1 波高
行先 香川県小豆島琴塚港係留
出港時刻 ---- 帰港時刻(寄港)----
乗員 1名


唐草を安良里に回航してくるため、まずは高松まで陸路で行く。それから高速船で小豆島に渡る予定だ。


結婚してからは、出張以外にひとりで旅行をすることなどなかったので、せっかくだからという心理が発動された。それで寝台特急「サンライズ瀬戸」のシングルデラックスの部屋をおごった。こんな機会でもなければ乗ることもないだろう。

シングルデラックスの部屋は広かった。とても快適な旅ができた。

普通のシングルの部屋だとベッドしかないが、デラックスだと机と洗面台が付く。

サンライズ瀬戸は、東京駅を6月24日(土)の2200時に発車した。

列車が動き出してから、ベッドに足を投げ出して、テルモスに入れて持参した壱岐の焼酎「さるこう」の前割りを蕎麦猪口で飲みはじめた。つまみは女房の作ってくれた握り飯である。ウチで作ったものを食べれば必ず帰ってこれるという彼女のまじないである。

1時間半くらい車窓の夜景を楽みつつチビチビやっていたが、熱海の手前あたりで眠くなったので寝る。

明るくなって、目が覚めた。姫路の先くらいか。

寝台の眠りは、クルマやフネとはまたひと味違った眠りごごちだ。眠らないにしても列車で横になれるというのがこんなにラクなことだとは。しかも完全に個室である。部屋着で過ごせる。

空間も景色も全部独り占め。快適快適。

岡山の手前でシャワーを浴びに行く。乗り物の中でシャワーが浴びれるというのはすごいことだ。


0720時に高松に着いた。しかしこのまま小豆島に渡るには早い。

岡崎造船のある琴塚に1107着のバスに乗るつもりなので、高速船の出発まで待たなくてはならない。

この無駄な時間。持て余す時間。これも旅の楽しみか。

駅前でうどんを食べる。

0925の高速船で土庄に渡る。

高速船から岡崎造船のSさん(最近の舵誌に連載されている「ハッピークルージング」(芳地直美著)でも頻繁に「Sさん」として登場する方なので、私もSさんと書くことにする。岡崎造船からフネを買ったことがある方ならSさんが誰かスグにわかると思う)に連絡する。

Sさんによるとフネには鍵がかかっていないそうだ。そんなことなら、早く行ってフネで待っててもよかったかなとも思う。


土庄は雨だった。というか高松からすでに雨だった。さらに、東京からの道中も時々雨が降っていた。梅雨なのだ。しかたがない。

土庄でバスを待つ。土産物屋を見て回るが、またまた時間を持て余してしまう。手荷物の重さもしんどくなってきた。もう面倒だ。タクシーで行く。

岡崎造船までバスで行こうと思っていたのだが、雨と荷物のせいでバスを待ってられなくなった。

雨と荷物の重さのせいにしてしまったが、本質的には私が短気なせいだ。雨のせいではない。Sさんにひとことお願いすれば迎えにも来てもらえたかもしれないが、バスで風情を味わうつもりだったのだ。まあいい。

タクシーで約20分。

1030頃私のフネが係留されている琴塚港に着いた。

着いたとたん、そのまますぐにフネに行った。本来なら岡崎造船の事務所に挨拶してから向かうべきところだ。しかし、フネの鍵が開いているというのを聞いていたものだから、もうたまらずフネに向かった。

おお。浮いている。私の唐草が浮いている。嬉しい。ドジャーやブームカバーも新品になって、凛々しい姿で浮いていた。

琴塚港の様子。
左の列の手前から2隻目のパイオニア9が「唐草」

デッキもコクピットも張り替えているのでとても綺麗だ。新艇のようだ。「唐草」の船名も貼られている。濃紺の丸ゴシックだ。黒のゴシックでいいかと思っていたのだが、Sさんのアドバイスでこのようにした。いい感じ。アドバイスに従ってよかった。

1110頃Sさんから電話。

嬉しくて舞い上がっていたが、Sさんに1107着のバスで行くと言ったのにタクシーで直接フネに行ったのはまずかった。いや、それはまずくはない。連絡しなかったのがいけなかった。厳密に言えば、フネはまだ私に引き渡されてない状態なので、所有権は岡崎造船にあるわけだし。

岡崎造船の事務所に挨拶に行く。社長も出迎えてくれた。岡崎造船の事務所に行くのは今日で3度目だけど、いつも社長も同席してくれた。

挨拶をし、手みやげを渡し、世間話などしつつなごやかな時間を過ごす。このなごやかな雰囲気はあの温和な社長が醸し出していると思う。それと岡崎造船の社屋がいい雰囲気なのだ。ヨット好きがこの部屋に通されて、喜ばない人は少ないと思う。


ひととおりお茶をごちそうになったあと、あらかじめ送っておいた荷物をフネに運ぶ。事務所に置いてあった荷物は、社長の運転で軽トラで運ぶ。なるほど。手で持ってかなくてもいいわけだ。

ほかの荷物は琴塚港の脇の岡崎造船の関連会社「アンカレッジ」の倉庫にあった。

小雨の中、ネコ車を使ってフネまで運ぶ。宅急便で運べる最大サイズ160の段ボールが3個とそれより2回りくらい小さい段ボールが1つ。それと工具箱1つがあらかじめ送っておいた荷物だ。

雨の中渡し板で渡るのでけっこうスリルだ。雨が降ってなくてもスリルあるな。

向かって右の紺色のドジャーが「唐草」
バウのスタンションに渡された板に注目。この板でフネに渡る。

Sさんも手伝ってくれて、段ボール4個は無事全部キャビンの中に入った。


その後昼食。

前回行ったショッピングモールの中のうどん屋で「釜たま」うどんとかき揚げ丼のセットを食べる。

食後にショッピングモール内のドラッグストアで今晩用の水を買う。四万十川の水。2Lを2本。

事務所に戻って回航コースの打ち合わせ。チャートを借りてポイントを教えてもらって、私がフネに持ち帰ってチャートワークとGPSへの座標入力をする。

HOODに作らせたハッチカバーがうまくはまらないので、プラスチモの既製品に変更したとのこと。

ハッチは高価なので、乗らないときはカバーをして長持ちさせたい。それとハッチから入る紫外線をカットして、船内の木部を保護したい。

送った荷物の整理がけっこうたいへん。汗だくになった。水分補給を心がけながら作業する。外は小雨。

ドジャーがあるので、ハッチを開けておいても大丈夫かというとそうでもなかった。縫い目から抜けてきた水がファスナーのところから垂れてくる。でもまあ、ないよりは全然マシだけど。

フネに100Vを引いてくれた。工事用の電灯も貸してくれた。ハンドレールにひっかける。電気明るい。家電製品(といっても何もないが)使い放題。

ポータブルテレビとケータイの充電、iPodのスピーカ用にとても役立った。ありがたきかな100V。

アンカレッジの2階が琴塚ヨットクラブのクラブハウスになっている。トイレとシャワーはそこを使うようにとのことなので、使わせてもらった。トイレはウォシュレット。

アンカレッジの建物

岡崎造船の社用車(カローラバン)の鍵を貸してくれた。夜になにかあったらそれで移動できるようにとのはからいだ。ありがたい。琴塚のあたりは本当になにもないので、なにか必要なものがあったら、クルマがないとどうしようもない。

お気遣い大感謝である。

明るいうちにシャワーを使わせてもらって、TVで天気予報を見て夕食。夕食は土庄のバスターミナルで買ったカップそうめんを食べる。値段を考えると美味しいとは言えないな。もうすこし安ければまた評価も変わると思う。

20時頃寝る。


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