0400時起床。 朝イチでクラブハウスのシャワーを浴びに行く。ついでにクラブハウスの製氷機でSさんが昨夜から作っておいた氷をスーパーの袋に一杯取ってきて、フネの保冷庫に入れる。
霧。無風。
霧はちょっと怖い。でも濃霧というほうどでもないし、雨が降らないだけマシとするか。 NHK TVで天気予報を見ようとしたが、サッカーをやってた。ラジオで天気予報を聞く。 天気予報によれば、今日の航路上では雨は降らないようだ。降っても局所的という予想である。運がよければ全く降られずに那智勝浦まで行けるかもしれない。 0630頃Sさんが来る。 0700頃岡崎造船の社長も見送りに来てくれた。一緒に写真を撮った。 0720舫を外し、出航。 琴塚港の灯台まで社長が見送ってくれた。我々も手を振って見送りに応える。
霧の瀬戸内。 無風。波なし。 霧は海面上数メートルに漂っている。空は晴れている。視界も航海できないというほどではない。
セールアップ。 メインセールのラフのスライダーをどうしようか迷ったあげくラトガーソンにしてある。 これにしてよかった。するする上がる。このサイズのセールならレール付きのバテンカーやバッドカーまではいらないな。 フルバテンなのでもう少し重いかと思ったが、それほどでもなかった。ウインチが不要なくらい最後まで簡単に上がった。
小豆島北岸を東に向かって航行する。 フェリーの霧笛が聞こえ、やがて遠ざかっていった。 小豆島をかわして、播磨灘に入ってしばらくしたら霧は晴れて来た。
鳴門海峡に近づく。潮が引いているので連れ潮だ。
1230鳴門海峡通過。 この時間は鳴門海峡の潮流が最速になる約1時間前である。しかも今日は大潮だ。 橋の手前の海面はなんともないが、橋をくぐると渦潮の世界だ。観潮船が出ている。潮をさかのぼってくる本船もある。満ち潮なら橋の手前で渦潮だ。 まるでに洗濯機の中だ。ロディオだ。最大船速14.3knotを記録。
そのまま連れ潮に乗って紀伊水道を南下する。
鳴門海峡通過後に昼食。Sさんが、さんま蒲焼き丼を作ってくれた。激ウマである。あんな美味い食べ物ないっていうくらい美味かった。陸で食べるのとは全然違う味わいなのだ。 好天の航海中に食べる食事は本当に美味い。 コースは日御碕、市江崎を経て潮岬を回って那智勝浦の予定だ。 1430頃イルカの群れと遭遇。8頭くらいがフネの回りで遊んでいた。フネを追い越しては戻り、戻っては追い越し、フネの真下をくぐったりと遊んでいた。 野生のイルカを見たのは初めてだ。楽しい。嬉しい。
そうこうしているうちに夕食。Nさんが牛丼を作ってくれた。 美味い。
風が向かい風。フネは揺れ、波にたたかれる。少し酔ってきた。船酔いだ。 出航前に飲んだトラベルミンの効き目が終わったのか。 連れ潮が終わって逆潮になった。だいたい4ノットから5ノット台。 キャビンで横にならせてもらう。しばらく横になっていたが、たまらずトイレで嘔吐。牛丼を往復で味わってしまった。 吐いたら少し楽になった。トラベルミンを飲んで、念のためもう少し横になっていたら酔いは収まってきた。 日が傾きだし、ワッチ体制に入ることに。ひとり1時間でローテーション。3人体制なので、1時間ワッチの2時間ワッチオフ。
1930頃、暗くなる前にSさんがポリタン1缶給油。
日没ワッチの次のワッチでコクピットに上がったら、夜光虫と天の川。すごい。白波も夜光虫で光っている。 ペラの水流が、水中で竜のしっぽのように光っている。 フネがサブンと波をたてると夜光虫の光がセールを照らす。 空にはくっきり天の川。 綺麗だ。 こんな景色はどんな言葉で伝えることができるのだろうか。志水辰夫の文章で読んでみたい。
1時間づつのワッチは調子いい。2時間連続で休めるのがいい。一般に、人間の睡眠の一区切りが2時間と言われているので、そのリズムにも合っている。 ワッチ交代でコクピットに上がるのと交代に、Sさんがオフワッッチとなってキャビンにおりた。 コンパニオンウェイから顔だけ出して「コーヒー飲む?」と言ったのはカッコよかった。高槻和宏のエッセーで読んだことがある。これかあ。これがベテランの味ってもんだ。 夜のワッチでデッキに上がる時用に、ギョニソ(魚肉ソーセージ)とバナナはグッド。手軽に食べられて腹持ちがいい。
現在位置をチャートで確認するためにヘッドライトや懐中電灯で照らすのだが、明るすぎてまぶしい。夜間にチャートを見る灯りには赤いフィルターが必要だ。帰ったら、赤いフィルター付きのライトを買おうと思う。
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