チャーター二日目。ホタテ漁とハイキング。
ぐっすり眠った。 9時間くらい寝たんじゃないかと思う。旅の疲れはすっかり取れた。 コクピットに上がって、回りを見渡すと、鏡のような水面。朝の太陽。新緑と青空。何年かぶりに起き抜けのコーヒーを飲んだ。(普段私は朝は紅茶か緑茶なのです) 朝はトーストと、ベーコンエッグ。コーヒーにオレンジジュース、ミルクといったホテルのコンチネンタルスタイル。
![]() デッキに裏返しにして積んでいたテンダーを海面に降ろす。テンダーの空気が少し抜けているので、テンダーに空気を入れようとするが、ポンプが調子悪い。ロイのフネは、デリック付きなので、そっちならラクだと言っていた。このフネは新品であるところは、いい点だけど、新品ゆえに装備が整っていない。 ロイのチャーター会社は二艇のヨットを持っている。ひとつはロイが個人的に持っている44フィートのジャヌーだ。今回我々のチャーターに使っているのは、ロイとは別な人がオーナーのフネだ。今年の三月に進水した新艇である。 1000頃出港。ホタテの漁場に向かう。
ホタテの漁場に着いて、ロイが海底を引きずる網をセットする。ロイはこのあたりの海底の地形を熟知しているらしい。ロイが操船して、私が網を引っ張る。 海底からゴツゴツした感じが伝わってくる。 しばらくして網を上げる。小さいのは海に戻して、大きいのだけ選ぶ。 3度ほど網入れをして、満足のいく量のホタテを採ることができた。 こちらのホタテは、日本で見なれているサイズよりもひと回りくらい小さくて、殻の色は褐色だ。 ロイによれば、このあたりに潜って採れば、5分でこの量が採れると言っていた。 ニュージーランドでは、海産物を個人で取ってもかまわないそうだ。なので、今日のホタテ漁は密漁ではない。ただし、一人あたりどのくらい取ってもいいのかは決まっている。例えばロブスターなら一人あたり5匹(だっけかな?)まで採っていいそうだ。我々は4人なので、20匹採っていいことになる。(よくわからない獲物については、個人で食べられるだけ取るなら、たいていは問題ないそうだ)
漁を終えて、セールアップ。
![]() 銅の鉱山のある島、カワウ島の入り江Dispute Coveに行く。午後はこの島に上陸してハイキングの予定だ。 30分くらい帆走して、入り江に到着。アンカリング。すぐ近くに廃鉱になった銅の鉱山跡がある。銅の鉱脈がむき出しになっていて、岩壁が緑青の緑色になっているところがある。 ホタテのカラを剥くために島に上陸。上陸地点は、ジャングルみたいでカッチョいい。ゾディアックで砂浜に上陸。近くの岩場でカラ剥き。
カラ剥きを終えてフネに戻るとランチ。
![]() ランチのあと、再び上陸する。 ケイトがジョギングスタイルだ。タンクトップにジョギングパンツ。キャップとジョギングシューズといういでたちだ。この人はハイキングにこういう格好で行くのかと思ったが、まあそういう人なのだろうということで納得した。 上陸して、海岸からハイキングコースまでは、ケイトも一緒に歩いていたが、ハイキングコースに入ったら、「んじゃ、私は走ってくるわね」と言って、走っていってしまった。なるほど、そういう人だったのか。そういえば、スタイルも筋肉質のスレンダーな感じだし。納得納得。後で聞いたのだが、ケイトはスポーツクラブでインストラクターをしているんだそうだ。再び納得。 残った我々は、ロイの案内で島のハイキングコースを散歩する。ちょっとしたジャングル気分である。
この島には、かつて入植したガバメントのためにマンションハウスがある。銅の廃鉱とこのマンションハウスがこの島の観光ポイントとなっている。マンションハウスの広くて綺麗な庭には孔雀が放し飼いになっていた。 ハイキングの途中でワラビーを見かけた。ロイによれば、週末は人が多いのでハイキングコースからワラビーを見ることは難しいらしい。ワラビーは一度しか見なかったが、鳥はいろんな種類のをたくさん見た。 女房は、この島の景色になにかインスパイヤされたみたいで、ハイキングしながら36枚撮のフィルムを1本使い切った。 上陸地点に戻ると、沖に三本マストのスピリットオブニュージーランドが停泊していた。このフネはトレーニング船としても使われているらしく、子供達が大勢乗っていた。そして、その子供達はスピリットオブニュージーランドの回りで泳いでた。ちょっと寒いぞ。泳ぐには。でも子供はいいのか。 1730頃フネに戻る。抜錨して、今晩の泊地Bostaquet Bayへ向かう。近いところなので、機走で向かう。
![]() いい天気だ。快晴。風はすこし上がってきた。Bostaquet Bayはこの風の裏側の入り江だ。波は全くない。とても静かだ。我々の他にはパワーボートが停泊していた。 今日のディナーはバーベキューだ。フネのパルピットにバーベキューポッドをセットする。このポッドも新品だ。 ラム肉とソーセージをポッドで焼く。もちろんビールを飲みながらである。キッチンではケイトが付け合わせとデザートのケーキを作っている。ケーキの名前はパブローバ(Pavlova)というバレリーナの名前だ。こちらでは、ポピュラーなケーキらしい。 赤ワインと一緒にディナーをいただく。美味しい。おだやかな時間。おだやかな会話。 キャビンに戻って、パジャマに着替えてハッチから空を眺めていた。星が水平線の近くまで見える。これが、大洋のまん中だったらホントに水平線まで星が見えるんだろうな。その景色を見るとどんな気持ちになるんだろう。 ハッチから上半身を出して、夜風にあたってみた。初夏の夜風が気持ちいい。
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