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貞山堀(新堀)復路:七北田川(蒲生)〜 名取川(閖上)


引き続き林の中を進む

新堀の終点、七北田川が近づくにつれて、下水というか汚水の臭いがしてきた。七北田川河口にある下水処理場の臭いだと思う。堀の臭いではない。

進むにつれて、臭気も強くなってきた。同乗している女性陣は鼻と口元をハンカチで覆っている。

七北田川に通じる水門が見えてきた。

水門は閉じていた。

七北田川への水門

水門手前まで舟を進め、この水門の手前を今回の冒険の折り返し地点とし、Uターンして帰ることにする。これで目的としていた「木曳堀」「新堀」の全区間航行は達成した。

旋回したのは、0820時。

阿武隈川水門からこの七北田川水門まで距離約13海里、所用時間3時間。平均対地速度約4.3ノット。当初の予定よりもだいぶ早く進んでいる。(キロに直すと距離約25キロ、速度約8キロ。フネの世界では距離は海里(マイル)速度はノットで考えるのでキロに換算すると違和感ある)

・木曳堀:阿武隈川-名取川 (約8海里 (約15km))
・新堀:名取川-七北田川 (約5海里 (約10km))

旋回後、直ちにスロットルを開き、滑走状態まで速度を上げて(GPSの対地速度では約15ノットを表示した)臭気の届かないところまで高速移動。来たときと同じく堀のど真ん中を突っ走る。帰りだからスピードが出せる。行きは何が起きるかわからないので、速度は出せなかった。

臭気から離れたところで、圭介が操縦交代してくれるというので舵を渡す。圭介は船外機に慣れていないが、すぐにコツを飲み込んで堀のど真ん中を巡航。私も舵から解放されてバウで写真を撮りまくる。

帰路の新堀

帰路の新堀

井土浦に入ってみたいというので、ちょっと入ってみたらすぐに浅瀬。コツンときた。ペラは回っているのでペラより下にあるスケグ状のパーツが当たっただけのようだ。しかし、これから潮も引き続けるので井土浦に入るのは中止して堀に戻る。引き潮で水深が浅くなって危険も増えていると思われるので舵も交代する。

井土浦を通過すると、再び名取川。

今朝方、新堀から名取川に出るフネが左側通行して竿の東側を通っていたわけがわかった。

私は右側通行を守って、竿の右側を通った。すると竿の側でコツンときてすぐにガツッときてペラが止まった。急いで船外機をチルトアップさせて棹を使って浅瀬から脱出。

チルトダウンする前ににプロペラを点検。損傷はなかった。再びエンジンをかけて航行してもヘンな振動はなかった。推進系、駆動系は全くの無事だった。よかった。

堀に差してある竿は浅瀬を示すローカルな航路標識だったのだ。それで今朝見たフネは左側通行していたわけだ。

名取川に入ると気温が上がってきたせいか風も吹き上がってきている。川に風波が立っている。波を突っ切るときに飛沫がかかる。といっても、たいした波ではない。10〜20cm程度だ。舟が小さいせいで飛沫がかかるだけだ。乾舷が高ければどうという状況ではない。

帰路の名取川。風が上がってきた

名取川を越えて、木曳堀に入る水門手前でも船外機のスケグにコツンときた。だいぶ浅くなってきているようだ。

0920時、水門をくぐる。

木曳堀に入って驚いた。今朝トイレ休憩したところは完全に干上がっている。川幅の半分だけが水路になっていて、あと半分は干潟になっている。干潟付近の浅い側に迷い込んで往生していたら、川漁師が水門から入ってきた。水路を通って自分の係船場所になにごともないように進んで行った。

だいぶ潮が下がっている

こちらも浅い側から脱出して、先の川漁師の通ったところをトレースして走る。

この先の状況を聞きたいので、川漁師のところで舟を止め、エンジンを切って堀の通り方を教わる。(船外機のエンジンはうるさい。エンジンかかったままでは話ができない)

広浦に出るところでは東側を通れ、その後は堀のど真ん中を通れば阿武隈川まで行けるとのことだった。この情報は本当にありがたい。

広浦の手前までくると、今朝とは景色が一変していた。大きな干潟が出現していた。

広浦の干潟(その1)

広浦の干潟(その2)

堀と広浦の境目に竿が立っている。

右側通行の習慣が身に付いてしまっているせいで、竿の右側を通ろうとしたら、泥の浅瀬に突っ込んでしまった。ペラは泥水をかき回しているが舟は進まない。船外機をチルトアップさせ、棹で脱出しようとするが、棹が泥にズブズブと刺さってしまって思うようにならない。

漁師が言うように東側(こちらから見て竿の左側)を通ればよかったのだが、右側通行がこれほど身に付いているとは。

それでもなんとか、東側の水路に入れたのでエンジンを再スタート。

川漁師のアドバイスに従い堀のど真ん中を航行する。

川岸にはところどころ干潟が現れてきた。


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