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水温サーモスタット
日付 2000年01月08日(土)

天気 曇り
風向 南西 風力  〜  波高  〜 
行先  
出港時刻    帰港時刻   
乗員 2名


0900に自宅発。ターンパイク、伊豆スカイライン経由で山伏峠からR80コース。

時間が時間なので、道は多少道は混んでいたが渋滞というほどではなかった。

1110安良里着。

ウルフガリバルディの鈴木さんと会った。挨拶をしてお話をする。奥様とご一緒に正月三日から来てるそうだ。昨年はいろいろとお世話になり、ありがとうございました。本年もよろしくお願いいたします。

私のNZチャーター記を読んでいてくれたそうで、どうもです。

鈴木さんは最近(でもないけど)大型のソーラーパネル2枚とウインドジェネレーターを装備した。赤道越え航海用かなと思う。

安良里の酒屋で、今年の初乗りの儀式用の日本酒を買う。

1120船着。初乗りの儀式。

コップに酒をつぎ、参列者全員(夫婦だけだけど)で乾杯をし、コップの酒三分の一を飲んで、三分の一を船に掛けて、三分の一を海に撒いて航海の安全を祈願し、安全に対する意識を引き締める。


艤装。

昨年から調子の悪いエンジンを港内でチェックするために係留場所を出る。機走だけのつもりだが、念のため艤装した。エンジントラブルがあっても素早く帆走できるように。

ペラに海洋生物がついていたが、ペラを回したら吹き飛んだ。

軽く港内を走る。広いところに出たので、2500回転くらいまで回す。と間もなくピーという警告音が響き渡る。水温の警告灯がついている。排水は元気だ。回転を落とす。消えない。相変わらず排水は元気だ。以前のように無負荷にして3000回転までしばらく回す。ピーが消えた。いつもの現象だが、2500回転に上げただけでピーは初めてだ。これはおかしい。クラッチをつないで、1000回転くらいで走らせてみる。大丈夫だ。

もういちど2500回転にして走ってみる。1,2分くらい走って、こんどはオーケーかと思ったところでピーだ。同じだ。3000回転無負荷にするが、なかなかピーが消えない。

これはちょっとよくない。前より悪くなっている。

回転落として係留場所に帰る。

係留してから、漁協に電話して仁科ヤンマーの電話番号を教わる。

前回エンジンかからなかったとき (99.04.17の唐草日記参照) にご縁ができたので、今回も仁科ヤンマーにお願いすることにする。

エンジニアは、一時半に来てくれることになった。

ラーメンとおにぎりの昼食。

NHKラジオを聞きながら紅茶。

横になる。

買ったばかりのデジカメ(Nikon COOLPIX 950)で遊ぶ。

1330。時間通りにエンジニアが来てくれた。こないだと同じ人だ。この人が来てくれればもう安心だ。作業中に作業内容を解説してくれて、いろいろ教えてもらえるのがありがたい。いつもどうもです。

現象を説明した。

この現象は、簡単に言うと、冷却水が正常に排水されているにもかかわらず、ピーが鳴るというこだ。

その後現象を確認するためにエンジンをかける。

アイドリングで2分くらい回した。

エンジニアの指示により、回転を2500にあげる。

エンジニアは冷却水の水路に沿って手をあてて、温度を調べている。手でシリンダーヘッドを触って、その出口と入り口を触って温度を確認している。

と、しばらくしたらピーが来た。よかった。現象が再現できた。

現象が出たり出なかったりするケースでは、エンジニアが来てくれたときに現象が出ないというのはよくあることなので、現象が出てホッとした。

と思ったのだが、彼は熟練のエンジニアである。現象を再現させる手法ぐらいお手の物なんだと思う。

で、仁科ヤンマーのエンジニアによれば、このような現象のときは、シリンダーヘッドに適切に暖められた水を回すためのサーモスタットに問題がある可能性が高いそうだ。サーモスタットがシリンダヘッドに回す水の量を調整しているからだ。

このサーモスタットは形状記憶合金でできていて、ある温度になると開いたり閉じたりする。温度センサーと電磁石で弁を動かすシステムより部品点数が少なくて信頼性の高いシステムだと思う。電気系統が死んでも、動作するというのも偉い。さすが世界のヤンマーだ。
取り外したサーモスタット
手のひらに乗せているのは仁科ヤンマーのエンジニア
 

サーモスタットを交換することになったが、今日はパーツがないので、月曜に発注することになるそうだ。来週中くらいには部品が来て、なおせるだろうとのことだ。部品が来たら平日に作業してもらうことにした。

さて、こういう現象が出たときのもうひとつの可能性としては、水をシリンダーヘッドに回すか、そのまま排出するか分岐しているところに塩がつまっていることがある。これもホースを外して、チェックする。ホースを外したところから8センチくらい奥までスルスルとドライバが入れば問題ない。このフネが係留艇ということからも、ここは問題ないようだったので、サーモスタット交換のセンが強くなった。ここの塩のつまりは、マリンピアでもチェックしてもらっている。

というわけで、部品待ちということになった。

せっかく来たのに乗れないのは気の毒なので、この状態(サーモスタットを外して、必ずシリンダーヘッドに冷却水が回る状態)ならエンジンを回しても問題ないと思うが、長時間使えば不具合が起きる可能性もあるだろう。でも短時間ならほとんど問題ないだろうということだった。

仁科ヤンマーのエンジニアの心遣いは嬉しかったが、今日は出ないことにした。

後に中村さん(99.11.06の唐草日記参照)によれば、サーモスタットが壊れているかどうかを確認するには、取り出したサーモスタットに熱湯を掛けてみればいいそうだ。動作すればオーケーで、うんともすんとも言わなければ不良である。なるほど理にかなった方法だと思った。

複数の人から聞いたのだが、サーモスタット無しでエンジン回しても、短期的には全然問題ないようだ。


寒いので帰ることに。私はもう少し唐草にいたかったが、女房が寒さを訴えるので、帰ることにした。ストーブがあれば、もっといられるのにと思う。

ティルナノーグの三樹さん夫妻が来ていたので、挨拶していく。彼等は今晩泊まっていくそうだ。

彼等のフネもエンジンに不安があるそうなので、優しくて熟練のエンジニアを擁する仁科ヤンマーか、山本発動機に相談してはどうかと勧める。

安良里の町並み3枚

1450安良里発。

R136とR414が合流する手前で天城中学のほうに折れて、R414に出て少し走ったら右に折れて、狩野川対岸の県道に出て修善寺へ。このコースだとR414の修善寺までの渋滞を避けられる。伊豆中央道から熱函道路(R11)。ここは空いてるけど、速度は出せない。その後ターンパイク。

1710帰宅。


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